ニュースレター 3月号(143号)
中国・地域づくり交流会が発行しているニュースレターのインターネット公開版です。

目次

  1. 哲学のみち研究会 第二期8回開催
  2. 書籍紹介
  3. 私の絵手紙
  4. 【部会情報】第17回 西国街道散策会 TO 井口
  5. 交流大会 分科会報告「第2弾」
  6. NPO 設立発起人総会のお知らせ

■ 哲学のみち研究会 第二期8回開催

哲学のみち研究会 二期8回が2月26日、広島市中区の中国新聞社ビルで開催された。

中国・地域づくり交流会の部会である「哲学のみち研究会」は、広島及び中国地方の近未来のまちづくりを考えることが目的で12年前に始められた部会で、今年で二期8回目を数える。

一昨年、昨年と「水の都」を軸にして、上流の森、農村のあり方、連携の必要性。また、海との関わり、都市河川の賑わい等が議論されてきた。今回はその集大成である広島市の「水の都ひろしま」構想をテーマに論議がされ、各顧問からは、次のような提案、課題がだされた。

黒木義昭氏(広島県農協中央会専務理事)

    水の都は、きれいで豊かな水があって初めて成り立つ。上流の水源に目を向けて考えることが必要。平和記念公園や原爆ドームを訪れる県外の観光客を、周辺に足止める場所がない。神楽など郷土芸能を披露し、地元物産を売る「市」が川の側にできないだろうか。

橋口 收氏(広島銀行特別顧問)

    構想を見て、広島も進歩し前に踏み出せたある種の感動を持った。ハード、ソフトを含め具体的な提案が出ている。しかし、水の利用形態に住宅利用の観点や、橋の利活用にあまり触れられていないように思う。原爆ドーム、宮島などの観光地に回遊性を持たせることも必要。

藤本 保氏(中国地方整備局長)

    全国の川を見てきたが、広島市の中心部の川には流れがなく、無表情な感じがする。川に個性を取り戻す必要ありそうだ。洪水や災害に強いことも大切だ。また、こどもにも川への理解を深めてもらう取り組みが必要である。市民参加の態勢ができつつあると聞いているので、一過性のイベントではなく地道な活動を続けることが「水の都」への近道なんるのでは。行政も協働で頑張りたい。

平岡 敬氏(中国・地域づくり交流会会長) 

    「水の都」としての広島は認知度が低い。それは、印象的な風景がないからで、ぜひ川が主人公の印象的な風景をつくりたい。平和大橋架け替えのプランがあるが、この橋を世界一の橋として売り出す様々なプランをだしてはどうか。例えば橋上のレストラン、土産物店、幅百。の橋を作る等々。また、にぎわいをもたらすには、川の近くに買い物や飲食の場、屋台、水上レストランや、川沿いに市内電車を走らせるなど「水の都」を全国に定着されるには、それぐらいのインパクトがほしい。

山本一隆氏(中国新聞社副社長)

    今は財源も少ないが、ある地域を封鎖して、河川浄化の社会実験をしてみる。知恵を出し合えば少ない財源でも可能になるのではないか。

イベントやソフト事業は、いつもどこかで行われているが、横のネットワークがないので、多くの人が知らない。オープンカフェやコンサート。また、海では釜山航路の開港や大型客船の入港といろいろあり、イベントも盛りだくさんだが参加が少ない。イベントやソフトを繋ぐネットワークづくりがいる。


「水の都 ひろしま構想」

  1. 水辺などでの都市の楽しみ方創出
  2. 都市観光の主要な舞台づくり
  3. 個性と魅力ある風景づくり

─を目的に国土交通省、広島県、広島市が今年1月、太田川デルタ地帯をエリアにまとめた。護岸整備だけでなく、水上レストランなどの社会実験を実施するといったソフト施策を重視したのが特徴。原案段階の昨年7月、政府の都市再生プロジェクトにも選ばれた。

【書籍紹介】 

水の都”を愛する人のために

@世界水フォーラム市民ネットワーク 鈴木康久・大滝裕一・平野圭祐編:

『もっと知りたい! 京都 水の都』 

人文書院 B6版216+7ページ 1,500円+税

日本の陰陽五行に基く治水文明の原点で、山紫水明の風情を今も醸し出す千年の古都。京都は本年「第3回世界水フォーラム」が開催され、水と人との永遠の関わりに向けて、大いなるウェーブが立ち上がります。鴨川の流れに興味を持つ編者の3人が川風に触れ、「京の水文化を語る座談会」が開催され、酒宴の後「カッパ研究会」が結成されました。

「NPO法人世界水フォーラム市民ネットワーク」のメンバーであるこの3人たちは、水文化のすべてがわかる本を書きたいと、自筆原稿をしたためとうとう書き上げました。この編集方法は学者の独断と行政の軋轢から見事に脱却し、軽妙で洒脱な文章とともに、下記の内容で綴られています。幾度となく京都の日常生活と水の文化史の絡みを実感し、学生時代に大文字山と鴨川の流れを見ながら、専門の地理学に励んだ事を思い出します。

  1. なぜ、京都に水文化が生れたのか
  2. 京都がはぐくんだ水文化をたずねて
  3. 水の都・京都の川と水辺の変遷をたどる
  4. 京の水辺を歩く―歴史と風景を楽しむ
  5. これからの暮らしと水

これだけの水文化を持つ都市は、世界中で京都のみではないでしょうか。広島の街も京都の聚楽第と御土居の縄張を模したと言われますが、近代化や戦後の復興で、広島の水の文化史を孤立無援の状況にしました。この度の「世界水フォーラム」では、京都を思う存分散策され、日本の水文化の神髄に触れられ、世界からの参加者と交流されたい。

(水の都ウォーク実行委員会 代表世話人:佐々木卓也)


“変わる住まいづくり、拡がる建築士の役割・技術”

『参加と共生の住まいづくり』

住田昌二・藤本昌也+日本建築士会連合会参加と共生の住まいづくり部会 編著

A5判・256頁・定価2700円+税

少子高齢化・環境問題に加えライフスタイルの変化により住まいづくりも転換点に直面している。多様なニーズの中て求められる建築士の役割とは。「参加」と「共生」をキーワードに、コーポラティブ住宅、コレクティブ住宅、農住共生の住まいづくり、町並みデザイン、地域材の活用、建築士NPOなど生活者のニーズに答える21生のハウジング像の可能性を探る。

    もくじ

      第1部 参加と共生の住まいづくり
      第2部 コーポラティブ方式の住まいづくり
      第3部 日本型コレクティブ住宅を探る
      第4部 農住共生の参加型住まいづくり
      第5部 集住デザインの造景作法
      第6部 山村と歳を結ぶ住まいづくり
      第7部 住まい・まちづくりセンターの活動

お問い合わせ、お申し込みは、学芸出版社 TEL:075-343-0811 FAX:075-343-0810

■ 私の絵手紙

イランに対して、今にも飛び掛かからんとしているアメリカを見ていると、何ともたまらない気持ちになります。戦争だけは、避けて欲しい。毎日祈るような気持ちです。私は小学校の5年生の頃北朝鮮の港町、鎮南浦で終戦を迎えました。その10日ぐらい前に、生まれ育った中国東北部の長春から行き先も知らず、「ここに居ては危ない。すぐ駅に集まれ」と冬物をリュックに詰め、その日の午後家を出た。駅は大混乱していた。やっと乗ったのは貨物列車。
外は既に薄暗くなっていた。家族6人。何日もかかって着いたのが、北朝鮮。ここで約1年近くの難民生活が始まりました。そして秋風が吹くころ、約3千人の団体が、日本に帰ろうと38度線に向かって歩き始めました。多くの人の死を見ました。「戦争が何故いけないかというと普通の人が理由も無く殺されるから。反戦の一番の基本です。」「イラクの小さな橋を渡って」(光文社)を書いた作家の池沢夏樹さんは話しておられます。平和な毎日がある日本、有り難さが身に沁みます。

(ひの かつこ)

【部会報告】第17回 西国街道散策会 TO 井口

広島市西区己斐〜草津〜井口

主催:西国街道散策会

日時:平成15年2月2日(日)
   9時10分〜13時

参加:89名

(挿し絵:正順寺、井上宏司 書)

午前9時10分に JR西広島駅に集合、ここから歩き出しました。冬の寒い中気候も穏やかで歩きやすい日でした。フォーラムでの宣伝もきき、88人と、是までの最大の人数となりました。大勢だったので、資料の準備など、行き届かないことがありましたが結構楽しく過ごしていただいたのではないでしょうか。

ここは、広島城下から西に行ったところ、城下町への農産物の供給地でした。集落も発達しており、お寺や、地蔵さんなど生活のにおいが感じられます。また、草津は、浅野三次藩の港であったことから、古くから発展してきております。広島の近くではありますが、特徴のある町が多くある地域です。

私達の足どりは、西広島駅から歩き始め、宮島街道の旧道をてくてくと歩いていきました。己斐、古江は地蔵さんなどがあちこちにあり、今も大切にされています。車の向け抜け道になっていますので、自動車交通も多く、みなさんの協力を得て歩きました。鷺森神社では、記念撮影、高台の海蔵寺では、海を遠くに見ることが出来ました。江戸時代は、歩いたところがほぼ海岸線だったので、広島の発展がよく分かります。草津に入り、小泉酒造の古くからの家屋前で、神社への奉納される酒の話や、草津町歩きの紹介を受けました。気がつくと、ゴールの正順寺でした。

興味がもてたのは、小泉酒造の街並みが立派で感激できたのではないでしょうか。近くの山口商店で、そこで造った酒を買われている人もいました。海蔵寺は、山中鹿之助いわれの墓地や、眺めもいいものがありました。この寺は、前回きたとき地震の後で、瓦が落ちるなど無惨な姿でしたが、地元の方の寄付などで、再建したようです。寄贈され、瓦に名前を書いていただいた方もいるようです。

うみにうかぶ 安芸の富士見の ながめよし

小泉さんも きょうはごきげん  

(Y-Shiokata)

■ 交流大会 分科会報告「第2弾」

「海」の分科会

1 参加者
  須見さん(大阪市から、国土交通省近畿地方建設局から)
  三原さん(広島市から、国土交通省中国運輸局から)
  上杉さん(広島市から、もと運輸局、現在小型船舶の認定団体)
  腋本さん(竹原市から、市会議員、市民活動)
  中田さん(益田市から、コンサルタント)
  地井さん(広島市から、広島大学教授)
  広田さん(竹原市から、中国新聞社竹原支局)
2 記録・報告
  花輪(広島市から、会社員)
計8名
3 状況と内容
産・官・学・野の各分野からバランスよく人が出てはじまった分科会。まずは地元の脇本さんの「忠海の歴史と海」という自慢ばなしから始まり、海を漂い、島に流れ着き、行き先を失った漂流談義となりました。したがって、「まとめ」は無しで、談論風発の素となるキーワードだけを報告致します。

1 今後の「島」を考えるためのコメント

  • 島の自立の必要
  • 島には多面的な役割がある。広く考えよう。
  • 島の条件や特色をもう一度考えよう。
    • ヨーロッパの島の条件と比べて、日本では、致命的欠陥があるのではないか・・・。
    • 環境破壊(大黒上島の砂利採取、海砂採取等)
    • 食の文化・・・みな同じ。さしみだけの貧しさ
    • ただし、酒や醤油は確かでは・・・。
    • ドブロクは島に似合う文化だ。
    • 干物文化は無くなってしまった。
    • 果実と魚がまだ残っている。F&Fアイランド
    • 地元の魚屋さんを残そう。
    • 流通に乗らないものを島で食しよう。
    • 流通に乗らないものを観光に活用しよう。
    • もうコンビニの惣菜はごめんだ。
    • 高齢化時代に向けて地域の宅配をはじめよう。
    • 民宿の規制緩和は可能では・・・。
    • 島に人間性の回復を!
  • 島々は、広島の交通ランドデザインにとって重要性な対象である。
  • 笠岡諸島に、夢ウェル丸という「出前の『福祉船』」があるという。
  • 島と本土を結び島の内部を一体化する役割をもつ。この福祉船に一般の人も運べる事業を組みあわせるなど多面的活用が図れないか。(注:郵便局(日本では禁止されているが)やJA、役場などが多様な交通ネットワークの事業をできるのではないか。)福祉船の多面的活用を。
  • 長崎・佐世保地区で2本の架橋があった。それによって、本土側から島に本拠地を移す現象が現れている。(通常はストロー効果で、島の人々が本土側へ移動するが・・・)
    • ニューヨークでは、橋をつくらないという運動もある。
    • 「橋」のないことを逆手にとろう。
    • 橋がつながっても、「離島」・「半離島」の概念の残る島がある。
  • 海が果たしてきた役割は何か・・・。
    • 自然としての「海」
    • 交通体系としての「海」の捉え方
  • 島を島らしく扱おう/考えよう/見よう!
  • 物語(ストーリー)づくりの必要がある。
  • 「島と海」独自のマーケティングや戦略があるのではないか。
  • 「港の開放」!カフェテラスを作ろう!
    • 今の港はなにも手出しができない。
    • さまざまな規制緩和の工夫をしよう。
    • バールやカフェ・パブなどは、情報のたまり場だった。
    • ビジターセンターにならないか。
    • 港をガストホフ(客の駅、ドイツ他ヨーロッパの集落食堂・宿泊施設)に・・・!
    • 御手洗(豊町)は裏の宿泊所がある。
    • マリーナをオープンにできないか。・・・
    • ウェルカム・ポートとして
  • 都市計画と漁業のバランスのとれた一体的な関わりを考えよう(国土交通省と農林水産省が手を組むとどういう答えが帰ってくるか。
    • 魚釣りと漁港を掛け合わせるとどんな答えが帰ってくるか。例えば、・・・
    • 魚釣り+漁港+マリーナ+ボート+生け簀=?
    • 漁業+農業+商工業=?
    • トータルなデザインを・・・。
  • 日本が成熟化社会に入る必要性がある。それをベースに「海」を考えることも必要だ。
  • 瀬戸内海は、最近では南北航路のみになってしまった。その意味を逆に捉えるとどうなるか。
    • 内海航路(国内では、瀬戸内海ぐらい)の特性を考えていく必要がある。
  • 瀬戸内海の資源よもう一度!
    • まず「『2泊3日』過ごせる島」を合言葉にそして、1週間、1か月の日本型バカンスを過ごせる島や海域づくりが必要だ。
    • 島に用事がない。→用事をつくろう。→やはり観光か。→魅力アップを・・・
  • もっと光を!もっと情報を!もっとPRを!もっと知恵を!

2 竹原(の島や海)を考えるためのコメント

  • 竹原は瀬戸内海の真ん中に位置する。
  • 江戸時代、「地乗り航路」と「沖乗り航路」があったが、大三島に代表される「海の民」の拠点のひとつが竹原であり、活用できないか。
    • 最初に、県内高等学校が設立された(三次、広島、福山、竹原)とき忠海も入っていた。
  • 忠海高等学校のなかに自然史博物館をもっていた。
  • 現在では、「すなめり探検隊」に意思が伝えられている。もう一度、こうした自然や自然史の伝統を復活させたい。
  • ニッカの竹鶴政孝氏は、中学のときの食文化体験が、今日のウィイスキーを生み出す原点だったという。(注、かつての原体験を活かしてみよう。「海」を原点としたとき何が生まれ、伝えられるかを考えてみよう
  • 忠海駅の民間での維持化を出発点に、住民の自治を考えよう、行動しよう。
    • サービス体制に一工夫を!
    • 山口県の徳地の石風呂は地域のコミュニティが維持管理・運営している。
    • 広島空港から海へ、公共交通でまわる旅を。!今、それがない。
    • 「海」の旅行はパックなのか・・・。これまでのパック旅行とは異なるものを工夫する必要がある。例えば、完全パックではなく、軽い、水漏れのするようなパックに・・・。
  • 竹と海、竹と島が結びつかないか。かぐや姫の物語のように・・・。
  • 港がふたつ、島をもった都市はあまりない。その間の海も竹原のもの、じょうずに使いたい。向かいに人口1万人の大崎上島が・・・。橋がなくてもよい。海域をはさんで魅力アップを、交流を。

何ともまとまりのない分科会でしたが、なかには、これはと思う手応えを感じました。

(文責 花輪恒)

■ NPO 設立発起人総会のお知らせ

日時 3月12日(水)17:00 〜

場所 交流会サロン

昨年から、交流会の研究部会で議論してきましたNPO法人化について、交流大会の総会でも承認され、法人化に向け準備を進めてきました。(仮)特定非営利活動法人中国・地域づくりハウスの定款も研究会で議論し、形が整いました。そこでNPO設立発起人になつていただく方々に審議していただきたいと思います。

(仮)NPO法人中国・地域づくりハウスは身近な視点で任意団体 中国・地域づくり交流会及び(株)地域づくりセンターと事業を進めていき、各地の活性化と充実に寄与していきたいと考えています。

賛同される方は、発起人に参画ください。

当日、都合で参加されない方でも発起人名簿に名前を載せていい方、交流会までご連絡ください。

【名称】(仮)特定非営利活動法人中国・地域づくりハウス

【目的】 この法人は、産・官・学・野の分野を越えた幅の広い人たちの情報交換や交流、参加による運動・事業・研究を通じて地域づくり活動を推進し、各地の活性化と充実に寄与していくことを目的とする。