記事No.347ニュースレター188号(2006.12) 2006協働の地域づくり・みちづくりフォーラムin中国


   立場超え、協力し合い目標達成  協働のあり方や今後の方向性を考える「2006協働の地域づくり・みちづくりin中国」が10月27日に開催され、5県のNPO団体や行政関係者によるパネルディスカッションが行われた。(中国新聞11月23日朝刊に掲載) 岡山の石原達也氏(岡山NPOセンター)は、NPOの協働は提案したものを採択することで、行政はNPOと意見交換する中で決めていくことと、考え方に違いがある。山口の船崎美智子氏(中国・みちづくり女性会議)は、協働をすすめるにあたってはつなぎ役のコーディネーターやプロデューサー的存在が必要。広島の宮本茂氏((社)中国地方総合研究センター)は、対等なパートナーシップが課題である。福冨真治氏(国土交通省中国幹線道路調査事務所)は、各地の現状や問題点を気軽に話し合えるシステムを作っていきたいなど様々な立場で協働のあり方が語られた。 ●基調講演「協働について」● 山口県立大学大学院教授 小川全夫さん 【地域社会形成への足がかり】◇農村や都市における協働例◇ 協働とは、コラボレーションの日本語訳として近年定着した言葉。立場が異なるものが、同一目標の達成のために協力しあうことをいう。農村における協働の例として「中山間地域における直接支払い制度の導入」がある。農業は単に農産物を生産するだけではなく、国土や自然環境の保全機能など多面的な機能を持っている。そうした農業を見直そうという動きを支援する制度で、農家だけでなく非農家や都会にいて関心のあるものが集落協定を結び活動すれば、交付金が支払われる。先進モデルとなる山口市の仁保地域で早くから協議会を作り、専門家も交えて地域の将来を計画。地権者の合意を集めて道路やほ場整備、廃棄物処理場の買い戻しと保全林化、道の駅の新設などを行政と交渉し、それらを実現させた。農村の持続的発展を目指し、この方法を非常に広い範囲で行っているのが欧州連合(EU)である。都市でもこうした協働の働きがあり、米・ニューヨークでは高齢者が集中して住む地域で住民が委員会を立上げ、そこにサービス事業者や政府、財団が加わって“住み慣れたところで年をとることができる”支援サービス活動を展開するコミュニティが現れている。既に日本でも同様のコミュニティが生まれつつあるようだ。 ◇コミュニティー機能の再生を◇ 協働の地域づくりにあたって日本に足りないのは、自分たちで事業を起こしたときにお金が回る仕組みである。今後考えていきたいのは、かかった費用を行政に弁償してもらうアイデア。税金の面で減免してもらう、還付を得る、あるいはボランティアの時間を賃金と掛け合わせて行政に提示する。本来は税金でやるべき事業費を自分たちが担った、成果として認めてほしいという運動を起こすことが大切だ。また資金を地域で調達する『コミュニティ・ボンド」、現物給付、会費や寄付、労働力の面でいえば手間替えといったさまざまな手法が考えられる。もっとも、それらは人と人との間の信頼関係の上に成り立つもの。つまりコミュニティ機能を再生させ、ソーシャル・キャピタルをいかに形成していくかが今後の地域政策の課題といえる。協働とはそうした社会を作るための足がかり。価値観は違っても、互いの立場の違いを超えてできるところから一緒にやっていこうという呼びかけであり、またその活動であると考える。(中国新聞社 2006年11月23日(木曜日))



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